芸能の宝庫・沖縄 雅な宮廷芸能とエネルギッシュな民族芸能

沖縄では古来より、神に歌を捧げる儀式「神遊び(かみあしび)」を起源とし、おもてなしや地域の伝統行事として芸能が栄え、そこで培われた文化と伝統が今なお受け継がれています。

「芸能の宝庫」と呼ばれる沖縄。かつて琉球王国だった沖縄は、中国や日本、東南アジアの影響を受けながら、独自の芸能をつくりあげてきました。沖縄の伝統芸能は、大きく「宮廷芸能」と「民俗芸能」の二つに分けられます。

「宮廷芸能」とは、中国からやって来る使いの人たちをもてなす歌や踊りで、首里城を中心に行われました。「組踊」や「御冠船踊」などがそれにあたります。一方、「民俗芸能」は、沖縄の各地域の年中行事や祭りの時などに行われるもので、「獅子舞」や「エイサー」、「民謡」などが挙げられます。

琉球王朝の文化・教養・芸能の粋が集約された総合芸術「組踊」

組踊とは、せりふ、音楽、所作、舞踊によって構成される歌舞劇で、1719年の初演から300年の歴史を迎えます。琉球王府が中国皇帝の使者である冊封使を歓待するために創作したもので、琉球王朝の文化・教養・芸能の粋が集約された総合芸術といわれています。1972年、沖縄の施政権がアメリカ合衆国から日本国に返還された年、組踊は日本国の優れた芸能のひとつであるとされ、能、歌舞伎、文楽などと同じく国の重要無形文化財に指定されました。また2010年には、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産保護条約に基づく「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」に記載されています。

 

組踊にとって音楽は非常に大きな役割を果たしており、地謡による歌は場面の転換や立方の心情を豊かに表現しています。大半は“八・八・八・六”で表される四句構成の「琉歌」を用いているのが特徴です。

沖縄の夏の風物詩「エイサー」

旧盆の夜に地域内を踊りながら練り歩く伝統芸能で、その起源は今も検証され続けています。主に各地域の青年会がそれぞれの型を持ち、その形態はいくつかに分類されますが、現在ほとんどの青年会が、「大太鼓」「締め太鼓」を中心とした「太鼓エイサー」であり、沖縄県中部が最も盛んな地域といわれています。また、太鼓を使わない「手踊りのみのエイサー」もあり、本島北部にいくつか存在するが、これがエイサーの最も古い形ではないかといわれています。

 

毎年旧盆が近づくと、エイサー本来の役割である道じゅねー(地域の通りをエイサーを踊りながら練り歩く)の練習のため、各公民館からドンドンと太鼓を打つ音が響きわたり、夏の風物詩となっています。毎年旧盆の翌週末には、沖縄最大の「沖縄全島エイサーまつり」が沖縄市で開催され、各地域のエイサーが披露されます。

 

 

 

参考サイト

【沖縄県沖縄の伝統行事

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